なんでもHPとは…いやな時代である

「K-1の武蔵みたいだ」と、Dellのマイケル・デル元CEOがヒューレット・パッカードのハードCEOを皮肉った。都内の病院に入院した同CEOは、無罪をアピールするために26日の米下院小委員会に出席した。その姿を見て「無理しなければいい、と思った。痛々しかった。(日本人)最後のエースで、一生懸命に武蔵がクリンチしているように感じた」というわけだ。

武蔵はK-1 GPで準優勝を二回した大選手だが、今期は一勝もできず、来期の再起を決意している。多分に引き際を誤ったような印象もあり、年末に大勝負のWindows VISTA商戦を控え、まだまだ辣腕ぶりが期待されるハードCEOにしてみれば、「一緒にするな」と言い返したいところだろう。

そのハードCEOが「近々人事を発表するで、それまで静観してほしい」と、26日に語ったという。「何だ、またHPか」という感じがする。25日に自ら「マーク・ハードCEO兼社長が会長を兼務 」と題してウェブサイトに公表したプレスリリースが、株主に説明のないままだったことで「順序がちがう」と物議をかもしたばかりだ。HPより堂々と会見したらどうなのか。

Dellも、専用ウェブサイトで「バッテリの自主回収」とリコールを発表した。多分にビジネス臭が強かったとはいえ、古い世代にとっては、そんな重要なことをなぜ自社のURLできちんと語ろうとしないのか、理解できなかった。最近は報道も取材先と顔を合わさず、ネットを通じて問い合わせをしたのを取材と称するJ-CASTニュースもいるという。いやな時代である。

アップル・ジョブスCEOは2005年8月に「癌の手術」を告白し、経営チームから離脱した。できれば避けたい会見だったろうが、何事も隠さずに説明した。HPではいくら名文を並べ立てたところで、誠意は伝わってこない。

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