お正月とは何だったのか?

今年も三が日が過ぎ、今日から仕事始めな人、年末年始はかき入れ時だと忙しい思いをしてようやく一息ついた人等々、それぞれがそれぞれの正月を過ごしたことと思う。
しかし、日本ほど、お正月を祝う国はあるまい。他国においても新年を祝うがそれは初日のみであり、3日間にわたって祝う国など他にはない。

一体、お正月とはなんなんだろうか?

正月と並ぶ一大行事「クリスマス」に関しては、その宗教的意義、商業的意味から様々な言説が飛び交うのが通例であるのに対し、「お正月」に関してはそのような議論をとんと目にしない。少なくとも俺自身は寡聞にして知らぬ。

ひねくれたものの見方をすれば、せいぜいが年数が繰り上がりカレンダーがリセットされるに過ぎない。
にも関わらず、民族大移動よろしく北へ南へ、東へ西へ。そして何がめでたいのか不明なまま、おめでとうという言葉が飛び交う。

一体、お正月とはなんなんだろうか?

長期休暇で言えば同期間の休暇は、春にも夏にもある。雪等による交通障害をかんがみれば、冬に移動するより夏に移動する方が遥かに合理的だ。無論、歴史的に農繁期にそのような事が出来なかったのは当たり前だ。だが、今どれほどの人が農業カレンダーに則り活動しているのか。

クリスマスと異なり、古来からの風習であるお正月は日本人にとってはア・プリオリな概念であり、そもそも疑念を持つような事柄なのではないのかもしれない。

今年の正月も、例によって例の如く帰省ラッシュに始まり、紅白歌合戦、曙の負けっぷり、行く年来る年、お笑い芸人を集めたお手軽特番、初詣での賑わい、賽銭の寡多、サッカー天皇杯決勝、箱根駅伝と定番のイベントがテレビやメディアを賑わせた。もうしばらくすれば、お年玉の平均額で景気について論じる間抜けが現れるだろう。

同時に、毎年の事ながら、痛ましい事故も起きている。餅を咽につまらせて病院に運ばれた老人も多数に上る。

もし、お正月だから・・・と言う根拠のない高揚感がこれらの悲劇を招いたのならば、そろそろお正月という生と死の祝祭について再考する必要があるだろう。

3が日が過ぎた今こそ問わねばならない。

お正月は何だったのか?